介護ブログ

母編6《緊急引き継ぎと、告げられた事実。》

 

2011年当時に運営していた、築40年程の木造アパート。

戦時中に頸椎損傷し、若くして働けなくなった祖父が、

家族を養うためにと農地を変えて建てた、大切な収入源。

旧いながらもしっかりした造りは、東日本大震災の大揺れにも耐えてくれたけど。

震災後に空いたお部屋を、リフォームしようとした際に発覚した、

外来種シロアリによる、甚大な侵食被害。

構造上の危険性が明らかになり、緊急の建て替え計画が始動。

 

右脚の腫れと痛みが、日に日に酷くなって行く母。

持病が有り、体調不良を起こし始めていた父。

本格化して来た介護により、派遣勤務も退職した私が、

家業運営と建替計画の中心となった。

 

自活しながら仕事して、休日には趣味のカメラ散歩を楽しんでいた、

マイペース人生は突如として、幕を閉じ。

家族の病身介護と、家業運営の兼任をせざるえなくなった、30代後半。

様々な問題が、次々と押し寄せて来る事になる、嵐の始まり。

 

 

2011年5月。 

急速に進む、右脚の浮腫。 右側だけ、丸太の様。

それに伴い、増し続ける一方の痛み。

「足を挫いた」では済まされない症状を、

何度と無く問い質して、ようやく母が事実を告げた。

 

「癌治療で効く薬、もう無いんだって。」

 

主治医が母にそれを告げたのは、2011年の4月末。

母の口から私が知らされたのは、その1ヶ月後の5月末。

脚の付け根に生じた「出来物」は、体内に有った癌細胞が、

リンパ節転移によって皮膚へ浸潤したモノ。

つまり、皮膚転移癌。

 

抗癌剤はすでに効かず、体外へ出た癌細胞は急速に広がり、

皮膚を抉(えぐ)りながら侵食し続けていた。

 

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